名言から学べる指導法
阿久比事務所に山本五十六という人物の名言から
学べる指導法が飾られました。
山本五十六は軍人として多くの部下を統率してきた経験があるからこそ身につけた
“いかにして人を動かすか”
のエッセンスが詰まった言葉をのこし
多くの経営者や指導者の格言として知られています。
「まずは実際に自分がやって見せて、しっかりと説明をして理解してもらい、その後実践させてください。そしてその行為を褒めてあげなければ、人を動かすことはできないでしょう。」
マニュアルを読んだり、口で上手く説明したとしても、具体的な仕事のイメージが掴めなければ完璧な理解には及びません。
人間の五感の中で最も情報をインプットするのが「視覚」とも言われていますので、
実際の様子を見せることによって理解が進むでしょう。
どうしても時間の都合や手間を理由に
口頭説明のみで終わらせがちですが、
人になにかを教える時は、まず自分が率先して
やってみせることが重要です。
また、相手に敬意を払うという意味でも
面倒くさがらずに見せるということが大切なのです。
やってみせた後は、しっかりと説明して聞かせることが重要だということです。
たとえ手本を見せただけでも上手く伝わっているとは限りません。
「見て覚えて」のような美徳は教える側の過信となっている可能性があります。
そのため、見せてイメージを掴ませたあとは、言葉で補足説明をして十分に伝えることです。
また、「言って聞かせる」という言葉からも分かるように、重要なのは相手に伝わっているかです。
一方的に説明したかどうかではなく
きちんと相手に伝わっているか
理解ができたかどうかという点に注意が必要です。
見せて聞かせたあとは、
実際に相手に実践させることです。
いざ、実践しようとしたら
思うように出来ないという経験はないでしょうか。それは、ごく普通の流れで、結局は頭のなかで完結しているだけなので、見て聞いた内容を
実践することで再現してもらうことです。
理解度は人それぞれですので
説明だけでも理解できる
わざわざ実践させなくてもできる
と思われるかもしれませんが
理解を深めるためにも実践してもらうことが指導の基本として覚えておくと良いのです。
実際にさせてみた後は
相手を褒めるということです。
褒めるといってもできの良さを賞賛するのではなく、相手を肯定することです。
覚えたての相手が初めから完璧に仕事ができることはなかなか無いので褒めることを怠ってしまいがちです。
教える側としても100%のできではないにも関わらず「褒める」という行為に違和感を感じる方も少なくないでしょう。
しかし、指導において相手を褒めることは
非常に重要な要素の一つで
褒める=肯定しすること
が自信を持って仕事に取り組む原動力となります。
「それで大丈夫」「そのやり方で問題ない」というように相手を肯定することです。
これらのステップを踏み、理解と信頼関係を築いたうえで相手が納得したら、ようやく
”動いてもらえた”
ということです。
人間は、それぞれ考え方や感情を抱く意思をもっています。
たとえ何かしらの成果物が残せたとしても、本質を理解した仕事としていない仕事では
雲泥の差が生まれることは間違いありません。
本質を理解した行動を起こしてもらうためにも上記のステップを経て、
相手の意志で自ら行動してもらう必要があります。
そのためには、教える側も最適な教育方法を考え、行動していく必要があるのです。
この「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ。」という名言には続きがあります。
話し合い、耳を傾け、承認し、
任せてやらねば、人は育たず。
やっている、姿を感謝で見守って、
信頼せねば、人は実らず。
という言葉です。
つまり、これら言葉が共通して述べているのは
”相手に敬意を払わないと動いてはくれない”
ということです。
相手を軽んじて言うことをきかせようとすれば
反発されたり、関係が構築できないのは当然のことでしょう。
部下が言うことを聞いてくれない、指導しても上手く理解してくれない。
と嘆く前に
改めて指導方法
考え方を見直すことが重要なのです。
部下が主体的に動いてくれるように育てていくのは、上司の大きな役目です。
そのためには、自発的に動いて学習する環境や指導方法を整えてあげる必要があるのです。
自分自身が学び、真剣に向き合う事です。
今回の名言から学べる教育方法は、
会社だけでなくあらゆるところで同じように活用できます。
「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ。」
というステップを踏み、相手を尊重しながら育成してみるという思いを込めて
友愛事務所の一番目立つところにこの言葉を掲げました。
読み解き意味を考えると、より心の奧深くにこの言葉を置き、感じることが出来るのではないでしょうか。
2020年10月7日